ともすると悪徳商法

今年六月に開催された、ロンドンおよびスペインにおけるYellow Magic Orchestraの公演の模様を収めた、これらのライヴ・アルバムが、来月10日にリリースされるとのこと。

LONDONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON 15/6 08-

LONDONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON 15/6 08-

GIJONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN GIJON 19/6 08-

GIJONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN GIJON 19/6 08-

1983年の散開後しばらくの間、YMOのライヴ音源については、正式にリリースされた以下の二枚しか存在しなかった。

パブリック・プレッシャー

パブリック・プレッシャー

アフター・サーヴィス

アフター・サーヴィス

とはいえ、実際のライヴはほかにも何度も行われているわけで、その事実を知っている信者としては、これらの二枚を聴いているだけでは飽き足らなくなってくるのはしごく当然のこと。
ライヴはこうしてレコードとして発売するコトを前提に録音されているワケだから、そういう音源を聴くことはできないかと考え始めるが、そういったものはFMでエア・チェックしたものか、もしくは実際にライヴに行ったヒトの手による決死の生録くらいしか存在しなかった。
それらを入手すべく、音楽雑誌のうしろのほうのページに載っていた、読者の情報交換コーナーでの売ります・買いますみたいなのを探し、顔も知らない出品者にハガキか手紙で連絡を取り、いくばくかのおカネを払ってカセットテープに録音してもらったモノをゲットしては、狂喜乱舞してウオークマンで聴いていた。
なにしろインターネットなんかなかったあの時代、そうしたスローなことによくも耐え忍んだものだと思うし、こうしたある種の苦労のうえで入手してこそ、それを聴くことができたことがより嬉しく、いまとなっては懐かしく思える。
そういう時代からすれば、こうしてきちんとCDがリリースされることは喜ばしいし、それは実際、現在の発信側が同じ思いをしてきた世代であることと、消費者層もそういう世代が中心であることで、需要と供給がマッチしているからこそ、こうして商品化されるのだろう。

まあそれにしても、こんな商品もラインアップされてしまうのは、その種の思惑が行きすぎているか、もしくは「このくらいのコトをしても、ターゲットの消費者層にはそれなりにカネはあるわけだし、間違いなく買うさ」とベロを出しながら商品企画されたのではないかと思えてしまうのは、穿った考え方だろうか...

EUYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON+GIJON 2008-(完全限定生産)

EUYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON+GIJON 2008-(完全限定生産)

はっきり云ってこのパッケージはやりすぎだと思えるが、それでも買っちゃうヒトがいるから、このテの悪徳商品が横行するのだろう。
いくら「限定版」というコトバに弱いとはいえ、4,000円もするTシャツなんか要らないわけで、そんなんだったらライブ映像のDVDでも付けてくれたほうがイイ。