ノブナガはそんなにおしゃべりか?

今年の大河「天地人」については、どうもヘンテコな演出や、シーンによっては「なーんか安上がりに済ませてんじゃないの?」などと思わされる点が散見される。
そもそも主人公の直江兼続というのが、武将として(一般的に)メジャーでないこともあってか、登場人物のイメージと演じるキャストとの間にあまり違和感を感じることがないのが、せめてもの救いか。


その一方で、今回は脇役になっている「上杉謙信」「織田信長」「羽柴秀吉」などといった有名どころには、やはり自分なりの人物像というものがあるわけで、特に今回は意外にも、吉川晃司氏の演じる織田信長が、いわゆる一般的な「信長像」にとても似通っていると思う。
しかしこの信長は、あまりにも口数が多いのがどうもイケナイ。
秀吉あたりがなにか訊くと、すぐにクドクドと説明口調で話し出す。
あまつさえ、先週2月22日放送の第九回では「孫子いわく...云々」などといったセリフを吐きやがった。
これが武田信玄とか上杉謙信だったら、それも「さもありなん」という気もするが、そもそも他人の言にあまり耳を貸さず、たいていのことはひとりで考えて実行に移していたとされる織田信長のコトバとはどうしても思えない。
画面に向かって「信長はこんなこたぁ、ぜってぇ云わねぇ!」と思わず叫んでしまった私に、「脚本が女性だから、しょうがないんじゃん?」と妻は云うが、そういうものなのだろうか。