個人情報ないがしろ


今年度のわが家には、自治会の班長の順番がまわってきており、ときどき開催される班長会議なるものにイヤイヤ出席したり、内容希薄な回覧板を回したり、自治会費を集金したりとか、いちおうコレでも社会の一員っぽいコトをやっている。

今日は先ほどまでその班長会議があって、みんなを集めてまでやる内容か?!という素朴な疑問はともかく、先日配られた自治会員名簿について、唯一私だけが意見をモノ申してきた。

名簿の情報は、氏名・住所・電話番号の三項目で、昨年度の班長が名簿作成のための情報を紙ベースでやり取りしたらしく、わが家の場合はそのための用紙に妻が手書きで渡していたが、いまとなっては、そんなコトはすっかり忘れていた。

それがつい一昨日、その情報をもとにまとめられた、無線綴じのちょっとした書籍の表装で各班の人数分配られたが、いまはまだ班の中では配らずに置いてある。
というのも、名簿といっても小中学校のクラスでかつてよく配られていた、A3ペラ一枚程度の連絡網くらいのモノになるかと思っていたのが、かなり広範囲にわたる個人情報が載せられており、あまつさえ巻末には、ご丁寧に五十音順の索引までつけてあるからだ。

いまのこの時代、こんなモノを配るのはどうも本意じゃないなぁと思っていたところに、ちょうど本日その会議があったものだから、まずはいろいろ訊いて作製意図を確認してからでも配るのは遅くなかろうと思ったのだ。

よくよく訊いてみると、それは五年周期で作っているのだという。で、その責任者の言では「氏名だけの記載では仕方がないので、住所その他も載せた」「班長に配ってまわったときに不在だったお宅については玄関先に置いてきた」などと云うものだから、うーん...これはこのヒト、情報というものが、使いかた次第では凶器にもなりうるコトをまったく理解してないと感じ、あまりいろいろ突っ込んでも「ヌカにクギ」「暖簾に腕押し」だなと、適当なところでハナシを切り上げておいた。

それにしても、イイオトナが30人ほどもガン首揃えて、だれもなにも云わないのはどういう了見なのだろうか? もしかして、この自治会には正論を吐くとムラハチにされたりする悪習でもあるのか?とさえ邪推してしまう。

いずれにせよ、今後も引き続き同じように名簿を作るのなら、わが家のコトについては今後は載せないようにしてもらおうと思っている。いまどきは小中学校の卒業アルバムの巻末にさえ、個人情報保護の観点から卒業生の名簿は載せないというではないか。そうした点からみても、この自治会の所業はあきらかに時代の流れに逆行していると云わざるを得ないし、だからこそ各種会合や書類の内容が希薄なのかもしれないと思うと、なんだか哀しくなってくる。