サンタ降臨作戦

このシーズンというコトで、こんな私だって、たまにはこんな微笑ましい行動を執るのだというエピソードの駄文をしたためる。

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昨晩は帰りに家電量販店に立ち寄って、妻へのクリスマスプレゼントとしてコイツを調達し、さらにそのコトは一切云わずに知らん顔をして、24日の夜にサンタが持ってきてくれたテイを演出するつもりでいた。 ところがやはり、ハッピーシーズンを含む三連休前夜にあいまった世間の緩みきった浮かれ空気に同調し、結局呑みに行きたくなってしまう自分の意志の弱さを恥じる。

そして好事魔多し、さあ帰ろうという段になってゴチャゴチャ云ってくるヤツがおり、退勤予定時刻から大幅に後れをとってしまったものだから、家電量販店に寄る時間を割けずに合流地点を目指すコトとなってしまった。
昨晩は妻も呑み会だったので、とりあえず家の中のどこかに隠しておく場所を検討するにはとても好都合だったし、今日から三連休に明確な用事もなくひとりで出かけ、変に怪しまれてしまっては今回の作戦がブチ壊しになってしまう。

さて、こうした状況下で、いかに作戦遂行したモノかと思案を巡らせていたところ、私が単騎で出かけるのにおあつらえ向きの用向きをひらめいた。 それは、先日までに徴収しておくべきだった自治会費が未納となっている不届きな輩の家への取り立てと、そのカネを副会長様に上納するいう大義名分である。

しかも昨晩は 電車を二駅乗り過ごして、いつもの乗り換え駅からタクシーで帰投したので、最寄り駅の駐輪場に自転車を残してきており、ちょっとそのへんをパトロールするのに最適な脚として、私のサードバイク"HONDA Little CUB"がひさびさにロールアウトするのになんの不自然さも伴わないという、まさにケガの功名ともいうべき好条件である。 さらに自転車では行動範囲はおのずと限られてしまうが、本来の白ナンバーを88ccにボア・アップした内容の書類届出のみで区役所に簡単に受理されて黄色ナンバーをつけているだけの「原付二種もどき」には30km/h制限も二段階右折もカンケーない顔して、思いっきりフル･スロットルで強風の寒空の下、そこらの車道を吹っ飛ばしてきた。

かくして本来の用向きを無事に済ませたうえに、プレゼントの品を秘密裏に調達するという作戦の第一段階までを現段階で無事に完了した。 ひとつ想定外だったのは、時節がら、ゲームとおもちゃ売場のレジが大混乱状態でラッピングサービスが割愛され、包装紙をタダでやるからプレゼント包装はお客様各自でお願いしますという対応だったコトである。 そういう手作業がぜんぜんダメな私は困り果て、いったん包装紙はもらったものの、やっぱりできない！と返してきて、いまはCUBのFRPボックスの中に、レジ袋に入れたままのプレゼントを隠してある。

やはりサンタが持ってくるのだから、たとえ簡素でもなにもラッピングされていないのでは、なんだか万引きしてきたみたいに見えてしまうワケで、なにかないかと、いま自分の記憶をいろいろとたぐり寄せている次第である。